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COLUMN

DXセレクション2024から見る企業が進むべき方向性

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、現代の企業が競争力を維持し、成長を続けるために不可欠な取り組みです。しかし、多くの企業がDX導入に際してさまざまな課題に直面しています。今回は「DXセレクション2024」の傾向と成功事例をもとに、企業が進むべき方向性を探ります。

企業のDX推進における課題とは?

多くの企業がDX推進を試みる中で、現場での新システムの使いこなしや専門人材不足によるプロジェクト遅延など、さまざまな障壁に直面しています。

業務効率化を目指して導入したシステムが逆に作業を煩雑化させるケースや、DX推進に必要な専門知識を持つ人材が不足し、プロジェクトが計画通り進まないといった問題が見られます。こうした課題を克服することが、DX推進を成功させるための鍵となります。

DXセレクション2024の傾向と成功事例

経済産業省は、中堅・中小企業等におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)のモデルケースとして注目すべき優良事例を「DXセレクション2024」として選定しています。多様な業界の企業がデジタル技術を積極的に活用し、DX推進に成功している事例が数多く紹介されています。

製造業、物流、不動産業など、それぞれの業界が抱える特有の課題に対して、デジタル技術を用いた解決策が模索されました。例えば、ロボットやAI、BIツールを導入しての生産性の向上を試みたり、積極的にクラウドサービスを導入して、あらゆる業務のDX化を試みるといったアプローチが挙げられます。

DX推進に成功している企業は、いくつかの共通した戦略をとっています。多くの企業がボトムアップの展開を促しつつも、経営層の積極的な関与のもと、DXの重要性を全社に周知させるトップダウンアプローチを採用しています。

また、デジタルスキルを持つ人材の育成に力を入れ、研修や教育プログラムを通じて社員のスキルアップを図ることも特徴です。さらに、社内だけでなく、顧客やサプライチェーン全体を巻き込むことで、より効果的なDX推進を実現し、顧客のニーズに応じたサービスを提供する仕組みを整えています。

成功事例から学ぶポイント

DX推進がもたらす生産性向上と従業員の意識改革は、企業の成長にとって重要な要素です。
DXセレクション2024に選定された企業の成功事例から、参考になるポイントがないか見てみましょう。

例えば、浜松倉庫株式会社の事例では、ロボットやAIの導入により生産性を30%向上させ、新センターに必要な人員も確保されました。従業員がデジタル技術を活用するための知識を身につけ、自発的に業務改善プランを立案する能力も向上しました。

また、株式会社リノメタルの事例では、クラウドサービスを複数導入することで業務効率化と情報管理の一元化を実現。「ものづくり補助金」も活用しての生産管理システムの導入なども行っています。結果として大手自動車部品メーカーからの大型案件を受注し、年間売上の大幅増加に成功しています。加えて、生産管理業務の工数が月268.6時間を削減し、ミスの件数も減少するなど、売り上げとコストの両面で成果を残しています。

DX推進の手法と重要ポイント

成功している企業は、DX推進にあたりいくつかの重要なポイントを押さえています。まず、導入するデジタルツールやシステムは、現場や顧客のニーズに合わせたものを選定しています。

また、大規模なシステム導入を一度に行うのではなく、段階的に小さな成功体験を積み重ねることで社員のモチベーションを維持し、DX推進をスムーズに進めています。さらに、従業員への教育とサポート体制を整え、新しいシステムやツールのスムーズな移行を実現しています。

DX推進の成功には、経営層が率先してDXをリードし、全社にその重要性を伝えることが欠かせません。DXは単なる技術導入にとどまらず、従業員のマインドセットを変革することも重要です。従業員がデジタル技術を活用する意義を理解し、自ら改善提案ができる文化を醸成することが成功のポイントです。顧客やサプライチェーン全体を巻き込むことで、外部からのフィードバックを積極的に取り入れ、サービスの改善にもつなげています。

DX推進にはさまざまなメリットがある一方で、注意すべき点やデメリットも存在します。例えば、新しい技術やシステムの導入には従業員の抵抗感が伴うことがあり、これを解消するためには従業員への十分な説明と教育が欠かせません。

また、DX推進には初期投資が必要であり、短期的には負担に感じられることもありますが、長期的な視点で見れば、コスト削減や収益向上に寄与することが期待されます。さらに、技術進化が早いことから、導入したシステムがすぐに古くなる可能性があるため、継続的なアップデートと技術習得が重要です。

一方で、デジタル化が進むと、サイバーセキュリティのリスクが高まるため、強固なセキュリティ対策も不可欠です。また、多くのデジタルツールやシステムを導入することで、業務が複雑化する可能性もあります。導入するツールやシステムの選定には慎重に行い、業務のシンプルさを保つことも重要です。

まとめ:DX推進の重要性と次のステップ

DX推進は、企業の未来を左右する重要な課題です。とはいえ、無から有を生み出すことは容易ではありません。成功事例から学び、自社の状況に合った戦略を立てることで、生産性向上や新たなビジネスモデルの確立が可能となります。次のステップとして、現状分析を行い、自社の課題やニーズを明確化したうえで、長期的な視点でDX推進の計画を策定することが求められます。さらに、DX推進においては信頼できるパートナーの存在も重要です。

株式会社テンダでは、ウェブシステムの受託開発やラボ型開発を通じて、貴社のDX推進をサポートいたします。DXに関するご相談やご質問がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

参考:DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-selection/dx-selection.html