COLUMN
企業が今すぐ取り組むべきデジタルトランスフォーメーション戦略
デジタルトランスフォーメーション(DX)で企業が競争力を強化するために必要な戦略とは何でしょうか。具体例を交えながら解説します。
もくじ
デジタル時代における企業の課題
日々の業務の中で次のようなことに心当たりはありませんか?朝の会議で資料を準備するために多くの時間を費やしている。顧客からの問い合わせに迅速に対応できない。従業員の業務効率が上がらず、改善はしたいが手が回らない。このような状況は、多くの企業が直面する現実です。
デジタル時代において、スピーディな情報共有や業務プロセスの効率化は、競争力を左右する重要な要素となります。これらの課題を解決するためには、デジタルトランスフォーメーション(DX)が欠かせません。DXは単なるITの導入ではなく企業文化や業務プロセス全体を見直し、デジタル技術を活用してビジネスそのものを革新することを意味します。
デジタルトランスフォーメーションの重要性
DXの推進は、企業が直面する多くの課題を解決する強力な手段です。例えば、データのデジタル化によって、リアルタイムでの情報共有が可能になり、迅速かつ正確な意思決定を可能にします。顧客対応の自動化やパーソナライゼーションによって、顧客満足度の向上も期待できます。
DX戦略の詳細と実施手順
DXを成功させるためには、以下のステップが重要です。
1. ビジョンの決定
改善サイクルを回す前に、自社が達成すべきビジョンを決定します。企業ごとの経営ビジョンや強み、弱みなどによってあるべきDX像は変わってきます。この決定には経営層も巻き込んだ検討が必要です。
2. 現状分析
自社の業務プロセスやIT環境を徹底的に分析し、どこに改善の余地があるのか、どの領域に取り組むことで自社の価値を最大化できるか把握します。分析においては自社だけでなく市場動向など周囲の環境変化も含めた分析が必要です。この工程においては、外部の専門家を招いてのコンサルティングも有効です。
3. 取組領域と目標の設定
分析の上で、自社がどういった領域での取り組みを行うか決定します。例えば、アナログ・物理データのデジタル化、業務自動化などによる生産性向上、新規サービスの創出、ビジネスモデルの根本的な改革、などです。後者ほど大きな成果が見込める一方、推進のための従業員の負担も大きくなります。この点はビジョンも考慮して判断を行います。
そして、その中で何を達成したいのか、具体的な目標を設定します。これには、売上の向上やコスト削減、顧客満足度の向上などが含まれます。
4. 推進プロセスとデジタル技術・ツールの決定
DXは不確実さが伴うため、一度方針を定めても予測できない事態に見舞われる場合があります。全ての事象を事前に予測することは不可能なため、推進するにあたってはアジャイルな取り組みが求められます。アジャイルな取り組みには、企画、実行、学習などのサイクルをスピーディに回せることが求められます。
目標達成に必要なデジタル技術・ツールを選定する際においても、状況に応じた調整や別のツールへの切り替えが行えるものを選ぶことが重要と言えます。
5. 成果評価
プロセスの実行時には成果評価を行い、適切なフィードバックを行えるようにします。この際、重要となるのは、失敗したことによりDXを中断するのではなく、失敗を前提に取り組み、短期間で改善サイクルを回せるようにすることです。日本においては失敗を許容しにくいガバナンスが変革の妨げとなっている場合もあります。この問題については従業員ではなく経営者が率先して意識改革するよう働きかける必要があります。
DX導入時の留意点
DXを成功させるためには、いくつかの留意点があります。
まず、従業員の抵抗をどう克服するかが重要です。新しい技術の導入は、従業員にとって負担となり反発を生む場合があります。従業員教育や意識改革を積極的に行い、DXのメリットを理解してもらうことが必要です。
セキュリティリスクにも注意が必要です。デジタル化が進むことでサイバー攻撃のリスクも増加します。適切なセキュリティ対策を講じることが、DX成功の鍵となります。
継続的な改善を忘れずに行うことも重要です。DXは一度導入すれば終わりではなく、継続的に改善し続けることが重要です。
まとめ
デジタルトランスフォーメーションは、企業が競争力を維持し、成長するために不可欠な戦略です。DXを成功させるためには、ビジョンの決定した上で、現状分析、取組領域と目標の設定、推進プロセスとデジタル技術・ツールの決定、成果評価というステップを踏むことが重要です。
現状分析など何からして良いかわからない場合は、専門家の支援を受けながら自社に最適なDX戦略を策定し、実行に移すと良いでしょう。デジタルトランスフォーメーションに関する詳細な相談や支援が必要な場合は、ウェブシステムの受託開発やラボ型開発を行っている株式会社テンダにご相談ください。
参考:独立行政法人情報処理推進機構 DX白書2023 https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html